水の排水館⑤  


下水道の普及あれこれ 
 日本の下水道の普及率は先進国の中でも群を抜いて低い。昭和63年(1988年)頃で、39l。東京でさえ82lである。参考までに先進国のイギリスは95l、西ドイツは91l、アメリカは73l、フランスは64l、イタリアは55l。
 有名なパリの大環状下水道が完成したのは1740年だった。だから、欧米人は清潔とも言い難い。何故なら、完備した下水道の水をセーヌ川にそのまま流していた。それのすぐ横でセーヌ川の水を汲み上げて飲料水に使用していた。まだ汚水を処理する技術が知られていなかったから、汚水の処理技術も知らないのに放流式の下水を作る神経が解らない。
 よく外国の人は、日本の国は自動車を作るのに、道路は作らないと言っていた話しを思い出しました。下水もこれと同じような気がする。ベルサイユ宮殿はすばらしいが、大部分の人達は水洗便所を使用していたが、召使いがそれを、庭に埋めて処分していた。鎖国で遅れた日本を批判する人もいますが、下水道と一緒で、欧米の国が立派な事をしていたとは、とても思えない。


下水道料金を考えよう
東京都下水道料率表(1か月分)
汚水の種別 排出量(m3) 料率(円)
一般汚水 0〜8m3 560円
9〜20m3 1m3につき110円
21〜30m3 〃  140円
31〜50m3 〃  170円
51〜100m3 〃  200円
101〜200m3 〃  230円
201〜500m3 〃  270円
501〜1,000m3 〃  310円
1,001m3 〃  345円
浴場汚水 0〜8m3 280円
9m3 1m3につき35円
※下水道料金は、算出した額に100分の105を
乗じた額(1円未満の端数は切り捨て)です。
下水道料金 計算表
★標準家庭1か月あたり24m3の汚水を排出した
場合の下水道料金は、次のようになります。

 計算式
0〜8m3    560円
9〜20m3   110円×12m3=1,320円
21〜24m3    140円× 4m3= 560円
2,440円

2,440×100分の105(消費税)=2,562円(下水道料金)
月の中途において公共下水道の使用を開始し、または使用をやめた場合の料金は、その日数が15日以内の場合は、基本料金を2分の1と算定し、15日を超える場合は、1か月分として算定します。
水道水のほかに、井戸水、湧水、雨水利用水、工業用水道水、簡易水道水などをあわせて流している場合は、合計した汚水排出量に上表の料率が適用されます。
共同住宅扱いの適用
2戸以上で家事のみに共用しているときは、申請により共同住宅扱い(汚水の種別は一般汚水)となります。

●ここが重要●

水道・下水道料金の節約は、とにかく蛇口からの使用を少しでも減らす事のみ。
 汚水の量はどう計る
水道を使っているとき
 
水道の使用量を汚水排出量とみなしています。
井戸を使っているとき
  1. 手動式井戸・・・使用人数などから汚水排出量を認定します。
  2. モーター付井戸・・・時間計をつけて、ポンプの揚水能力と動いた時間から、くみあげた水の量を認定します。
  3. 時間計は、下水道局が費用を負担して設置いたします。

下水道料金減免制度について
対 象 措置内容 適用期間
公衆浴場営業 月当たり8m3以下の汚水排出量に係る料金について、16円に1.05を乗じた額及び8m3を超える汚水排出量1m3につき2円を乗じた額に1.05を乗じた額 平成10年6月1日
から平成14年3月
31日まで

 

医療施設(病院) 料金の10%
社会福祉施設 料金の20%
生活保護世帯
(教育・住宅・医療扶助の受給世帯)
月当たり8m3以下の汚水排出量に係る料金の全額
皮革関連企業 月当たり200m3を超え10,000m3以下の汚水排出量に係る料金の50%及び10,000m3を超える汚水排出量に係る料金の30%
めっき業 月当たり100m3を超える汚水排出量に係る料金の20%
染色整理業 月当たり50m3を超え3,000m3以下の汚水排出量に係る料金の10%
高齢者世帯
(老齢福祉年金の受給世帯)
月当たり8m3以下の汚水排出量に係る料金の全額(老齢福祉年金:緑色の国民年金証書) 平成10年6月1日
から平成13年5月
31日まで
生活関連業種※
(23業種)
月当たり50m3を超え200m3以下の汚水排出量1m3につき5円を乗じた額に、1.05を乗じた額
※生活関連事業
パン製造小売業/クリーニング業/魚介類小売業/豆腐製造小売業/日本そば店/中華そば店/めん類製造業/野菜小売業/かまぼこ水産加工業/こんにゃく製造業/民生食堂・大衆食堂/食肉小売業/大衆すし店/あん類製造業/ソース製造業/つけ物製造業/そうざい製造業/つくだ煮製造業/ハム・ソーセージ製造業/水産物仲卸業/簡易宿所営業等/理容業/美容業
下水道料金の徴収
 水道料金と同時に徴収しており、普通は2か月ごとです。

下水の処理費用と下水道使用料
 下水を処理して、再び河川や海などの公共用水域に戻すためにどのくらいの費用がかかっているのでしょうか。また、この費用に充ている使用料について見てみましょう。

下水のうちの汚水処理費用
 一般家庭が一箇月に20m3排水した汚水にかかる処理費用は、全国平均で4,142円となっております 。このうち、使用料で賄われている金額は、53%にあたる2,210円で、残りの不足分は市町村の一般会計から補填されています。
下水道使用料
下水道使用

日本は高いか、安いか? 下水道使用料の国際比較
下水道管等

下水道使用料

汚水を処理する費用は原則として、下水道使用料金が充てられることになっています。
平成6年度では、汚水関係の費用(維持管理費+起債償還費)に対して、使用料の割合は50.9%となっています。
汚水を処理する費用だけなら、使用料だけで賄えるのですが、建設時の借金の返済が維持管理費の約2倍ほどあるため、このような結果となっています。

使用料単価の水準を20m3/月使用する一般家庭の場合でみてみると、全国平均では、105.5円/m3ですが、指定都市は、68.0円/m3に対して一般都市は106.0円/m3と大きな差があります。
特に新しく供用開始する市町村の下水道使用料が高い傾向にあります。
下水道統計(平成6年度末現在)


Aさんの下水道料金の考察(参考)

▼僕は、下水道使用料金があることすら知らなかった。栃木県内の新築マンションを買って入居したばかりの頃、「なぜ、下水道処理代金」を隣町から請求されるのかが理解できず、町役場に電話したことがある。それまでずっと、下水道処理に関する経費は住民税などでまかなわれるものとばかり思っていた。
 僕の質問に対して、隣町の役場の職員は「お客様のお住まいの町と一緒に、下水道処理施設を造り共同で運営・管理しています。下水道処理にはそれなりの経費が必要で、毎月通知される請求書をよくお読み下さい」と冷静な口調で答えてくれたのである。
 それで納得した自分ではあるが、最近の水道および下水道使用料金の領収書をみると、次表のように記載されている。水道は消費するものなので、きちんと消費税が上乗せされており、使用水量と汚水量が完全に一致し、料金は下水道使用料金が水道料金よりもやや低く設定されている。
 さらに、湯屋用の下水道料金は一般用との比較で、半額程度の割引になっているが、湯屋用という一部業界の料金を公示しておきながら、企業用の料金は公示されていないのはどうしてだろうか。
 何はともあれ、公共水道水を使用したのと同じ程度の汚水処理料金が必要になることは、「水を大切にする」「使いっ放し、汚しっ放しではいけない」、あるいは「受益者負担」を理解させていく効用が大きいと感じたのである。
 しかし、使用水量と汚水量が全く一致するのだろうか。料理に使用した水、洗濯物に含まれた水分、庭に散水した水などを考慮すれば、1m3も違わないというのはいかがなものかと思うのだ。水道使用料はメーターで測定されるが、汚水量は測定していないはずであるし、下水道使用料という考え方も不正確な表現であろう。
 汚水処理にかかる経費、人件費等が含まれているはずなので、それがわかるような記載を望みたいものである。

水道料金領収書(4月分) 平成11年5月7日

使用水量

水道料金

消費税

納付額

23m3

2,700円

142円

2,992円

下水道使用料金

水量

使用料

23m3

2,415円

*下水道使用量について

基本料金(1か月につき)

汚水量

金額

超過料金(1m3につき)

一般用

10m3まで

1,000円

汚水量

金額

10m3を超える30m3まで

100円

30m3を超える50m3まで

110円

50m3を超える100m3まで

120円

100m3を超えるもの

130円

湯屋用

300m3まで

15,000円

300m3を超えるもの

70円

臨時用

1m3につき

180円


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