水のことわざ・格言館②  


」がつく熟語や格言
一衣帯水 イチイタイスイ・・ 一本の帯のように狭く長い川。互いに、川や水をへだてて距離の近いことをいう
 
入水 ニュウスイ・・水の中にはいる。 ジュスイ〔国〕水に身を投げて自殺すること。
 
剰水残山 ジョウスイザンザン・・ 戦乱のあとの、荒れはてた河川や山。
 
君子交淡若水 クンシノマジワリハアワキコトミズノゴトシ・・君子の交際は水のように淡々としているが、いつまでもかわることがない。
 
君臣水魚 クンシンスイギョ・・君臣の間が、水と魚の関係のように親密なこと。

吃水 キッスイ・・船が水につかる深さ。船底から水面までの距離。
 
喫水 キッスイ・・船が水につかる深さ。船底から水面までの距離。
 
噴水 フンスイ・・ 水をふき出す。また、その水。 水がふき出るようにした仕掛け。
 
墨水 ボクスイ・・ 墨をすってできた汁。『墨汁ボクジュウ』 〔国〕隅田川のこと。
 
大水 タイスイ・・  大きな川・海・湖など。 洪水。おおみず。
 
天水 テンスイ・・  あまみず。 空と水。
 
寒水 カンスイ・・  つめたい水。 寒々とした川の流れ。
 

小水 ショウスイ・・  小さな流れ。 小便のこと。
 
山水 サンスイ・・  山と水。山と川のこと。 山や川のけしき。自然のけしき。『山川サンセン』 自然のけしきを描いた絵。山水画。「山水之楽、得之心、而寓之酒也=山水ノ楽シミハ、コレヲ心ニ得テ、コレヲ酒ニ寓スルナリ」〔 欧陽脩〕 山あいを流れる谷川の水。
 
山高水長 ヤマタカクミズナガシ・・人格が高く清らかなことのたとえ
 
山紫水明 サンシスイメイ・・山は紫がかった色で、川の水は清らかである。山や川のけしきの美しいこと
 
我田引水 ガデンインスイ・・〈故事〉〔国〕自分に都合のよいように物事を行ったり、言ったり、考えたりすること。
 
手水 チョウズ・・ 手や顔を洗い清めるのに使う水。 便所。 便所に行くこと。用便。また、大小便。▽「てみず」の音便。
 
投水 トウスイ・・身を水中に投げて自殺すること。「投身自殺」
 
掬水 キクスイ・・  ミズヲスクウ両手で水をすくうこと。 両手ですくった水。
 
撒水 サンスイ・・水をまく。
 
散水 サンスイ・・水をまく。
 
易水歌 エキスイカ・・楽府ガフの一つ。荊軻ケイカが燕エンの太子丹に頼まれ秦シンの始皇帝の暗殺に向かう途中、易水(河北省を流れる川)で知人たちと別れるとき歌ったもの。
 
明鏡止水 メイキョウシスイ・・〈故事〉曇りがない鏡と、波のない静かな水。心に何のわだかまりもなく、静かに落ちついている状態にたとえる。▽「荘子」徳充符篇から。
 
春水 シュンスイ・・春になって、水かさの増した川。
 
曲水宴 キョクスイノエン・・ 曲水(風流の遊びのために、屈曲させてつくった小川)に杯を流し、その杯が自分の前を流れ過ぎないうちに詩をつくり、その杯をとって酒を飲む遊びごと。昔、文人たちの間で三月三日に催された。▽晋シンの王羲之オウギシが会稽カイケイ山の蘭亭に文人を集めてこの遊びをしたのは有名。また、日本でも、平安時代朝廷や貴族の間で行われた。
 
杯水車薪 ハイスイシャシン・・〈故事〉杯の水で、車に積んだまきの燃えているのを消そうとする。ききめのないことのたとえ。
 
桃花水 トウカスイ・・ 桃の花が咲くころ、氷がとけて流れ出す水
 
止水 シスイ・・  流れない水。たまり水。 動揺せず乱れない心のたとえ。「明鏡止水」
 
赴水火 スイカニオモムク・・〈故事〉水や火の中に進入する。危険を冒すこと。
 
不通水火 スイカヲツウゼズ・・〈故事〉日常生活に必要な水や火を融通しあわない。近所の人と交際しない。
 
以水投石 ミズヲモッテイシニトウズ・・石に水をかける。少しも受け入れられず何の効果もないことのたとえ。
 
氾水 ハンスイ・・川名。(イ)山東省曹ソウ県の北を流れる川。漢の高祖が、この川の北で即位した。(ロ)黄河の支流で、河南省を流れる川。
 
江水 コウスイ・・長江の水。また、川の水。
 
沈水 チンスイ・・ 水中にしずむ。 ジンスイ 沈香の別名。
 
治水 チスイ・・水路や堤防をつくって、流れを調整して水害を防いだり農業に役立たせたりすること。
 
活水 カッスイ・・流れ動いている水。〈類義語〉流水。〈対語〉死水
 
洪水 コウズイ・・大量の水があふれること。おおみず。〈同義語〉鴻水。「禹抑洪水而天下平=禹ハ洪水ヲ抑メテ天下平ラカナリ」〔 孟子〕 物が一時にどっと出まわること。
 
泉水 センスイ・・ わき水。泉。「酌酒会臨泉水=酒ヲ酌ミテハカナラズ泉水ニ臨ム」〔 王維〕 〔国〕庭につくった泉。
 
浸水 シンスイ・・大水で田畑や家が水びたしになること。
 
流觴曲水 リュウショウキョクスイ・・陰暦三月三日に、曲がりくねったながれに杯を浮かべ、その杯が自分の前に流れて来るまでに詩をつくる遊び。
 
淫水 インスイ・・性交のときに分泌される液体。
 
渇不飲盗泉之水 カツスレドモトウセンノミズヲノマズ・・〈故事〉のどがかわいているからといって、盗泉という名の泉の水は飲まない。どんなに困っていても不正な事をしないことのたとえ。
 
淡水 タンスイ・・塩分を含まない水。真水。
 
渠水 キョスイ・・ほりわり。
 
湍水 タンスイ・・うずまきながらはやく流れる水。急流。
 
渟水 テイスイ・・たまり水。〈類義語〉止水・死水。
 
漢水 カンスイ・・川名。
 
漏水 ロウスイ・・ 水時計の、したたり落ちる水。 〔国〕水道管などから水がもれる。また、その水。
 
潁水隠士 エイスイインシ・・古代伝説上の隠者、許由キョユウのこと。
 
澗水 カンスイ・・ 谷川の水。 川の名。
 
潦水 ロウスイ・・雨が降って、庭などにたまったたまり水。にわたずみ
 
火耕水耨 カコウスイドウ・・草木を焼いて、肥料とし、水をかけて稲をうえる昔の耕作法。
 
煙水 エンスイ・・もやのたちこめた水面。
 
猶魚之有水 ナオウオノミズアルガゴトシ・・〈故事〉魚にとっての水のようなものである。君臣・夫婦などの親密で離れることのできない関係のたとえ。
 
璧水 ヘキスイ・・(周代に天子が設けた学校)のまわりにめぐらした池。また、転じてその学校のこと。
 見瓶水之凍知天下之寒 ヘイスイノコオルヲミテテンカノサムキヲシル・・〈故事〉つるべの水の凍るのを見て、冬の来たのを知る。小さな事がらから大きな事がらの道理を知ることのたとえ。
 
疏水 ソスイ・・土地を切り開いて、たまった水を通すこと。また、その水路。運河。
 
白水 ハクスイ・・ 澄んだ清らかな川の流れ。「白水暮東流、青山猶哭声=白水暮レニ東流シ、青山ナホ哭声アリ」〔 杜甫〕 心が潔白であることのたとえ。
 
白水郎 ハクスイロウ・・漁業を仕事とする人。漁師。あま。
 
白水真人 ハクスイシンジン・・〈故事〉 後漢のおこる予言についての故事。王莽オウモウが漢朝から帝位を奪ったとき銭に金刀と書いてあり、二字あわせると劉リュウ(漢の姓)になるところから漢朝の再興をきらって貨泉と改めさせた。しかし、泉の字をわけると白水となり、貨の字をわければ眞(真)人(りっぱな人物)となることから、貨泉の文字は後漢の光武帝が白水郷(河南省)からおこって漢を再興する予言になったといわれる。〔 後漢書〕 転じて、銭の異名。
 
盂方水方 ウホウナレバミズモホウナリ・・〈故事〉容器が方形ならばそれに入れた水も方形となる。人民の善悪は君主の善悪に従ってきまることのたとえ。
 
硬水 コウスイ・・カルシウム塩・マグネシウム塩などをふくんでいる水。▽せっけんがとけにくい。〈対語〉軟水。
 
碧水 ヘキスイ・・青緑をした川の水。
 
秋水 シュウスイ・・ 秋におこる洪水。「秋水時至、百川灌河=秋水時ニ至リ、百川河ニ灌グ」〔 荘子〕 秋の澄みきった水。「江湖秋水多=江湖秋水多シ」〔 杜甫〕 転じて、心・剣・鏡など、すべて清らかに澄みきったもののたとえ。
 
積水 セキスイ・・水をたくさん集める。「積水而為海=水ヲ積ミテ海ト為ル」〔 荀子〕 集まったたくさんの水。海のこと。
 
符水 フスイ・・神の守りふだと、神に供えた水。民間信仰で病気をなおすときに用いる
 
経水 ケイスイ・・ 流れゆく水。山から流れ出て海に流れ入る水。また、川の本流。 月経。
 
緑水 リョクスイ・・緑の川や池。深い川や池。また、緑樹のうつっている川や池のこと。
 
肥水 ヒスイ・・川名。
 
背水之陣 ハイスイノジン・・〈故事〉 川をうしろにして陣地をつくり、敵に対する。逃げることのできない、決死の覚悟で戦いにのぞむこと。〔 史記〕 転じて、失敗すれば滅びることを覚悟で、事の成敗を試みること。
 
腎水 ジンスイ・・男の生殖器から分泌される、精液のこと。
 
菽水歓 シュクスイノカン・・まめを食い、水を飲む貧しい生活をしていても親を喜ばせる。貧苦な生活をしても親に孝行をつくすこと。
 
萍水相逢 ヘイスイアイアウ・・〈故事〉うきくさと水とが出あう。▽旅行ちゅう、偶然出あった人どうしが知りあうことにたとえる。
 
落花流水 ラッカリュウスイ・・ 散る花と流れる水。▽すぎゆく春のけしきとされる。また、衰えおちぶれたさまのたとえとして用いられる
 
薪水 シンスイ・・ たきぎと、水。ともに生活に必要なもの。 〔俗〕給料。
 
薪水之労 シンスイノロウ・・たきぎをとったり水をくんだりする苦労。下女がするような日常生活の雑事を人のためにする苦労のこと
 
蛟竜得水 コウリョウミズヲウ・・〈故事〉水を好むみずちが水を得る。▽君主たる者が人民を得て威信がそなわったときや、英雄がよい時勢を得たときにそのことを形容することば。
 
行水 コウスイ・・ 流れゆく川の水。 ミズヲユク舟で水上をいく。 ミズヲヤル治水工事を行う。「禹之行水也、行其所無事也=禹ノ水ヲ行ルヤ、ソノ事無キ所ニ行ル」〔 孟子〕 川などの水勢や水かさを巡視する。 ギョウズイ  神仏に祈る前に、水を浴びて身を清めること。 〔国〕湯や水をいれたたらいに入って、からだを洗うこと。
 
行雲流水 コウウンリュウスイ・・〈故事〉ただよう雲と流れる水。一定の形がなく種々に移りかわることのたとえ。また、一つの物事に執着せず、物に対応
し、事に従って自在に動くことのたとえ。
 
覆水難収 フクスイオサメガタシ・・〈故事〉地上にくつがえした水は、もとにもどすことはできない。一度わかれた夫婦の仲はもとにもどらないことのたとえ。また、物事をするのにつごうのよい時機をはずすと、どうにもならないことのたとえ。
 
覆水不返盆 フクスイボンニカエラズ・・〈故事〉〔国〕容器からこぼした水はもとにもどすことができない。すんでしまったことはとり返しがつかないことのたとえ。
 
逃水 ニゲミズ・・蜃気楼シンキロウ現象の一種。野原や道路などで、遠くから見ると水があるように見え、近づくとそこにはなく、さらに遠くにあるように見える現象。
 
逝水 セイスイ・・流れ去っていく川の水。『逝川セイセン』▽一度すぎさったら再びもどらないものにたとえる。
 
進水 シンスイ・・ 水を流し通す。 新しくつくった船をはじめて水に浮かべる。「進水式」
 
遠水不救近火 エンスイハキンカヲスクワズ・・〈故事〉遠くの水は、近所の火事を消す役にはたたない。遠くにある物は、急ぎの役にたたないことのたとえ。「遠水近火」とも。
 
都水 トスイ・・秦シン・漢以後の官名。治水のことをつかさどった。
 
野水 ヤスイ・・野原を流れる小川の水。
 
鏡水 キョウスイ・・鏡の面のように、澄んで静かな水面。
 
鏡花水月 キョウカスイゲツ・・〈故事〉鏡にうつった花と、水にうつった月。見ることはできても、手にとることはできない美人や幻のたとえ。つかみどころのない事がらのたとえ。
 
雨水 ウスイ・・二十四気の一つ。立春と啓蟄ケイチツの間。陽暦の二月十九日ごろ。 地上や物の上にふった雨の水。あまみず。 汗のこと。
 
雲水 ウンスイ・・雲と水。「雲水夜自明=雲水夜オノヅカラ明ラカナリ」〔 蘇軾〕 「雲水僧」のこと。諸方をめぐり歩いて修行する僧。行脚僧。▽雲と水のように流れていく者の意。
 
風水 フウスイ・・ 風と水。また、風雨のこと。 山や川の地形をみて、家や墓をたてるのによい場所を占う術。▽その術を行う人を「風水先生」という。
 
香水 コウスイ・・よいにおいのする水。 化粧品の一つ。香木類から精製した香料を、アルコールにとかしたもの。 コウズイ〔仏〕 釈迦シャカがうまれたとき、天上から降った水。 仏に供える水。
 
高山流水 コウザンリュウスイ・・〈故事〉音楽のすぐれていることのたとえ。春秋時代の琴の名人伯牙ハクガが、高い山や流れる水のことを思って琴をひくと、友人の鍾子期がそれを感じとったという故事から。
 
魚水 ギョスイ・・魚と水のように、互いに離れられない関係。君臣・夫婦などの関係にたとえる。
 
魚水契 ギョスイノチギリ・・〈故事〉君臣・夫婦などのちぎりの深いことのたとえ。
 
如魚得水 ウオノミズヲエタルガゴトシ・・今まで、思うように活躍できないでいた人が、その所をえて、じゅうぶんにその能力を発揮するようになることのたとえ。
 
鹹水 カンスイ・・塩分を含んだ水。〈対語〉淡水。



 とんでも解釈ことわざ 
水揚げ ① 水を汲み揚げること。つまり給水塔のこと。
② 古典芸能では「松風」「融」「汐汲」などの水を汲み上げる世界をいう。

水入らず 立ち合い一瞬のはたき込み等で勝負のついた相撲。

水かけ論 水鉄砲合戦での作戦会議。

水清ければ魚棲めず
塩素で美しくした水では、魚は死ぬ。人はそれを飲んで生きる。
人間のしたたかさ、無神経さを賞賛した言葉。


水滴りて石穿つ 石という固体の虚しさを云う。
或いは水の能力の限界を云う。水は石を穿つ、しかし水を穿てない。

身すぎは草の種 極貧。草の種で飢えをしのぐ。

水に油 原油タンカーの事故のこと。惨状を言う。

水に絵を描く 絵画の練習方法の一つ。他に「水に字を書く」「水に数書く」等の類型あり。

水の上に降る雪 故郷を恋う心。雪はもともと水であった

水のかけっこをする 競泳のこと。またはオシッコの飛ばしあい。

水の流れと身の行方 行き先や結果が知れている、ということ。水は大海へ、身は冥界へ。

水をさす ① 剣道のツキの稽古、あるいはナイフで刺す稽古。「水に絵を描く」と同じ。
② 消火活動。 



「みず偏」漢字の簡略説明 
水くさい(水が臭い?)・・よそよそしく他人行儀なこと。
水をさす・・うまくいかないよう邪魔をする。
水いらず・・他人を交えないこと。(親子水いらず−など)
水に流す・・過去のいざこざをなかったことにする。
水の泡・・努力が無駄になること。

水菓子・・果物のこと。
水掛論・・互いに理屈を言い張って決着のつかない議論。
水杯(水さかずき)・・酒の代りに水を用いて飲む別れの杯

水も滴るいい男−つやつやして美しいさま。
水を打ったよう−大勢の人がしんと静まり返っているさま。
水を向ける−相手の心がある方へ向くように仕向ける。
水が入る(水入り)−相撲で勝負が長引き双方を離して少し休ませること。
水をあける
−ボートレースで一艇身以上の差をつけること。転じて、競争相手に差をつけることを意味する。

《我田引水》 物事を自分の都合のいいようにとりはからうこと。
《明鏡止水》 くもりのない鏡と止まって澄んでいる水のことから邪念がなく澄んだ心をいう。
《行雲流水》 雲の動きや水の流れのようにごく自然であることにたとえる。

−魚心あれば水心−
例えば、他人が親切にしてくれればこちらもそれにこたえて親切にするというように、
相手の出方によってこちらもそれ相応の出方があるということ。

−上手の手から水が漏る−
手際のよい人でも、やりそこなうことがあるということ


−水魚の交わり−
非常に親しい付き合い。(水と魚は切っても切れない関係から)

−水清ければ魚棲まず−
清廉潔白すぎる人は、かえって親しまれないものであるということ。

−畳の上の水練−
畳の上で水泳の練習をするようなもので、理屈や方法だけ詳しく知っているが、実際の役にたたないことのたとえ


−立て板に水−
立てかけてある板に水を流すようにものの言い方があざやかで、途中で引っかかったりしないたとえ


−背水の陣−
川や海を背にした場所に陣を構える意で、もうこれまでと覚悟をきめて全力をつくして事にあたること。

−水は方円の器に随う−
水が容器のかたちにしたがって流れ動き丸くも四角にもなるように、人は交際している友達の善悪によってよくも悪くもなる。

−焼け石に水−
熱く焼けた石に水をかけてもすぐには冷えないように、すこしの量やほねおりでは何の役にも立たないたとえ

よく使う格言説明   
一衣帯水
(いちいたいすい)

一筋の帯をおいたようなせまい川(海)。
火主水従
(かしゅすいじゅう)

電力は火力発電が主で、水力発電は従ということ。
我田引水
(がでんいんすい)

自分の都合のいいように、物事をこじつけること。自分の田にだけ水を引き入れるような、利益のために
道理の合わない言動をとることを言う。「我が田に水を引く」という。
曲水流觴
(きょくすいりゅうしょう)

風雅な遊びの一つ。庭園などの屈曲した小川の流れに杯を浮かべ、自分の前に杯が流れてくるまでの間に
詩を作り、それで酒を飲むという、我が国では王朝時代、陰暦三月三日び行われていた貴族の風流な遊び。
行雲流水
(こううんりゅうすい)

気楽になりゆきにまかせ(て行動す)ること。空を行く雲と、川を流れる水のように。
山紫水明
(さんしすいめい)

山と川、湖の景色が美しいこと。
覆水不返
(ふくすいふへん)

取り返しのつかないことの例え。一度盆からこぼした水は再び盆には返らない。一度離婚した夫婦は
元通りにはならないということ。
明鏡止水
(めいきょうしすい)

静かで物事に動じない状態。またそういう心境で物事をありのままとらえること。
落花流水
(らっかりゅうすい)
男に女を思う情があれば、女にもまた男を慕う情があるということ。(落ちる花にも情あれば、流れゆく
水にも情があり、散る花をのせていくという意)。
水の金言 
水清ければ魚棲まず
あまり水が澄んで透き通っていたのでは魚も隠れる所がないのですまない。
人もあまり清廉すぎると、人に親しまれず孤立してしまうこと(孔子家語入管篇)。
水清ければ月宿る
心の正しい人には、神仏の加護があらたかであることのたとえ(神霊矢口渡)
水滴りて石穿つ
雨垂れ石を穿つ(鶴林玉露)。
水の低きに就くごとし
自然の勢いは、止めようとしても止められないこと(孟子)。
水は方円の器に随う
人は交友・環境の善悪によって良くも悪くもなる
水広ければ魚大なり
君主の度量が大きければ賢臣もそれに集まること(淮南子)。
水を向ける
巫女が神寄せをするときに、たむけの水をかけることに基づく。
水は湿りにつき火は乾につく
因縁のある方に動くたとえ。
水火の争い
正反対の立場で仲が悪いこと(顕昭陳状)。
水火を辞せず
水におぼれ火に焼かれるほどの苦痛をも物ともせず動く。
水鏡私無し
水と鏡は物の姿をそのまま写して公平であることのたとえ(三国蜀志)。
水魚の交わり
君臣の間柄の親密なこと(三国蜀志)。
玉水・神水
唾液の別名。
宝水
寝る前に飲む水のこと。
水は生命の根源である
ターレス(古代ギリシャの哲人)
上善は水の如し
最高においしい酒は水のようだ
万物の根元(もと)は水ぞと喝破せし哲人ありき三千年の昔に
三笠宮崇仁(たかひと)親王の歌会始めの献詠歌
一切の味は、水を籍(か)らざれば、其の味を発する能(あた)わず
幸田露伴の「水の味」の一節


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