水(回り)の便利館①
宇宙から地球の姿を見ると、青く広がった海が4分の3を占めていることがわかります。
私たちが暮らす地球には、おおよそ14億km3の水があるといわれていますが、そのうち約97%が海水、残りの3%が淡水です。
しかしそのほとんどが南極や北極の雪と氷で、地下水を含めて河川や湖沼として存在する“使える水”は、地球上の水のわずか0.008%にしかすぎないのです。
現在地球には約53億の人が住んでいますが、今後も世界の人口は増えつづけ、このままでは世界的な水不足も予想されます。
また近年、世界各地でも毎年のように旱魃と洪水が発生しており、異常な高温、低温、多雨、少雨が頻発しています。
日本でもダムや貯水池をつくり渇水対策に努めていますが、私たち一人一人がこうした状況を知り、水の使い方を考えることもとても大切なことといえます。
ここでは家庭でもできる渇水時の“節水”というテーマを通して改めて水の大切さを見直してみようと思います。
必要な時、いつでもそこに水がある……。
うるおいのある美しい毎日……。
それが私たち共通の願いですから。
水の給排水を上手にするには、その性質を知れ
- 水は高きより低きに流れる
- 水は放置しておくと蒸発する
- 水は普通零度以下で凍る(凝固)
- 水は普通100度以上で蒸発(気化)する
- 水と氷と水蒸気は三兄弟である。
知ってますか?(チリも積もれば山となる) ◎水道の蛇口から水がポタポタ 1秒に1滴が 1日で バケツ3杯に 1ミリ程度の糸状に流れていると 1日で 浴槽1杯に
節水のコツ
●蛇口には節水コマを使用しましょう。
●野菜・食器洗いは溜め水をして洗いましょう。
●米のとぎ汁は庭の草木の遣り水に使いましょう。
●洗髪・洗顔は、溜め水をしてしましょう。
●お風呂のあと水は、洗濯に使いましょう・
●トイレの貯水タンクにはペットボトル(2g)を入れておきましょう。
●雨水おけをおいて、非常用・草木の遣り水に使いましょう。
排水のコツ
●汁もの(みそ汁・ラーメン汁)・アルコール類を残さないようにしましょう。
(そのまま流すと、排水が汚れ、浄化に大きな負荷がかかります)
●植物油の残りは、石鹸などにリサイクル、または新聞紙に吸収させて、可燃ゴミとして出しましょう。
●食器の油汚れ・醤油汚れなども紙に拭き取って可燃ゴミに出しましょう。
●台所洗剤・洗濯洗剤・シャンプー・石鹸は、できるだけ少な目に使いましょう。
(油・汁もの・アルコール・洗剤が負荷のかかる代表です)
節水術25ヶ条
水は、私たちの生命を維持するための必要不可欠な資源です。
「いつ渇水かやってくるのかしら・・・」なんて考えていると、夏はいつも気掛かりになります。でも、万一渇水になってしまったら・・・。
1人当りの使える水が100L程度(小さめのバケツに約10杯・平常時の約半分とお考えください)ということもあるかもしれません。
節水という慣れない暮らしを強いられ、精神的にも身体的にも不快な状態になることが予想されます。
そこで、あらかじめ知っていると安心できる節水のポイントをまとめてみました。
“もしもの時”に備えてせひお役に立ててください。
お風呂で
浴槽から水をあふれさせてはいませんか。 また、湯も沸しすぎないように注意しましょう。
1日に私たちが使用する4分の1が風呂で使われている水です。
したがって、ここで使われる水をムダにしないためにはどんな工夫ができるかが、節水の大きな鍵といえます。
また残り湯もいろいろなところに利用できるので、いつも忘れずに心がけておきましょう。
1.残り湯はすぐ捨てずに再利用します。
日本の一般家庭で使用されている浴槽は、約200Lの水が入ります。
毎日、風呂に入っている家庭では1年間に約7万3千L(1升びんで約4万本)の残り湯を再利用することができます。
残り湯はすぐ捨てずに、洗たく、洗車、植木の散水などに使用しましょう。
2.シャワーの使いすぎも節水の時には気を付けましょう。 熱いシャワーをゆっくり浴びるのは、とても気持ちがいいものですが、水不足の時にはちょっと贅沢。
渇水の時だけではなく使いすぎには注意したいですね。
3.ウッカリ!!沸かしすぎも余計な水を費やすもとです。
うっかり湯を沸かしすぎ、大量の水でうめなければ熱くて入れないという失敗、経験ありますよね。これも要注意。
「お風呂ブザー」などで防止しましょう。
4.あふれるほど水を張らずに済ませましょう。
浴槽に人るとザァーザァーと水があふれる、これは水の張りすぎです。
水を入れているのを忘れていた、などのムダ使いを防ぐように心がけましょう。
5.汚れの目立たない日のお湯は、もう1日使える時もあります。
水の汚れが日立たなかったりしているお湯は、もう一度沸かし直して使う工夫も必要です。
洗たくの時は
6.せっけん水と1回目のすすぎ水は風呂の残り湯を使いましょう。
まだ暖かい風呂の残り湯を本洗いと1回目のすすぎ洗いに再利用すれば、冷たい水道水を使って洗たくするよりも、効果的に汚れを落とすことができますよ。
バケツを使って何度も往復するのはたいへんですがガンバッて!!
7.洗たく物はまとめて洗って回数を減らしましょう。
1日に何度も洗たく機を回すのはやめ、ある程度の容量がたまったところでまとめて洗いましょう。
8.出しっぱなしでのすすぎは、水のムタ使い。
ためすすぎで洗たくすれば、1回の水の使用量は約110Lで済み、流しっぱなしのすすぎに比べて55Lも節水できます。
9.量の少ない時は手で洗います。
小物1〜2枚という時にも、わざわざ洗たく機を回していませんか。
こんな時は、風呂あがりの時などに、手で洗う習慣をつけてみるのはいかがでしょう。
10.洗たくの排水を捨てないで、こまめに取っておきましょう。
比較的きれいなすすぎの排水をバケツに取っておきましょう。トイレなどに再利用できます。
キッチンで
11.お米のとぎ汁などはまき水に利用しましょう。
植木などへの散水として再利用できます。
また、河川の汚濁防止にも役立つので一石二鳥ですね。
12.水道の流しっぱなしはダメ! 野菜や食器は“ため洗い”で。 水を流しっぱなしで洗うと、だいたい、平均して110Lぐらいの水を使用しますが流しに水をためる“ため洗い”だと20Lたらずで済みます。
13.食器や調理器具の油分は紙でふいてから洗いましょう。
油分をすっきり落とすには、たっぷりの水が必要となりますね。
でもあらかじめ紙でふきとっておくとかなりの水が節約できます。
洗面台で
14.朝の定番“朝シャン” ため洗いでも充分すっきり爽やか。
朝シャンで10分間シャワーを使うと120L前後の水を使用することになります。
前洗い、すすぎ洗いなどの洗髪には洗面器などに水をためて洗うようにしましょう。
ゆっくりと丁寧に洗えば、これで充分。
15.もちろん歯みがきだって水道をキチッと止めてから。
歯みがきの時の流しっぱなしは、30秒で約6Lも水を使います。
ところがコップにくんでみがくと3杯(約0.6L)程度の水で済み5Lも節水できます。
トイレで
16.トイレで残り湯利用を考えたいですね。
家庭で使う水の20%がトイレで流される水です。
でもちょっとした手間や工夫で、節約することができますよ。
17.タンク内に水の入ったビンを入れます。
手軽で経済的な方法です。
ロータンクの中に水の入ったビンなどを入れることで、タンクにたまる水の量を少なくすることができます。
ただし、レンガなど汚れやカケラの出るものはおすすめできません。
18.型式によってはバルブを絞るだけで節水型になるものがあります。
フラッシュバルブ式のトイレの場合は、バルブを絞るだけで節水できます。
これは誰でも簡単にできますが、詳しいことを水道屋さんに聞いてから行いましょう
19.ご在知でしたか。そうじにも水か少なくて済むやり方かあります。
トイレットペーパーを便器に敷き、洗剤を吹き付けて一時聞くらいしてから、トイレットペーパーごとブラシでこすって流すと効率的。
その上節水もOKです。
その他
20.バケツを用意。1日の水はできるだけくみ置いたバケツから使いましょう。
新しい水を貯めるための50Lバケツと、それを運ぶための10Lバケツ。
また、排水を貯めるためのバケツなどを用意して、用途に応じてそれぞれのバケツの水を使いわけましょう。
21.散水は米のとぎ汁や残り湯などを。
米のとぎ汁などをバケツにとっておき、植木などへの散水や、夏の暑い日には打ち水として再利用しましょう。
ただし、ポリ容器の汚れが気になる場合もありますから、実際に行うのは本当に水事情の厳しい時に限られるかもしれません。
22.ふきそうじには、風呂の残り湯を。
ふきそうじにわざわざ新しい水を使用するのは、渇水時には孝えもの。
風呂の残り場をバケツに移し、水が汚くなるまで何度でも利用しましょう。
これは日頃から心がけることもできますね。
23.時々、使用量のチェックもしてみましょう。
定期的に水道メーターで使用水量を確認し、節水効果を確かめてみるのも良いでしょう。
使用水量は今回読んだ指針値から前回の指針値を差し引いたものです
24.洗車の水もホースはガマンしてバケツの水で。
車を1台洗う場合に、ホースからの流し洗いでは、約240Lの水を使用しますが、バケツにくんで洗うと約30Lで済み、210Lも節水できます。水不足が長く続いた時など、ためしてみると違いがわかります
25.水はこまめに止めましょう。
蛇口から流れる水は思ったよりずっと量が多く、毎分11〜13Lの水が排水口に吸いこまれていきます。水道をこまめに止めるようにすれば、1世帯で年間約75,000Lもの水が節約できます。
簡単な節水テクニック
歯みがき コップにくむと5リットル節水
歯みがきの後、口をすすぐときも流れ続ける水…。流しっぱなし派は約6リットル(約30秒)、コップ派は約0.6リットル(コップ3杯分)。その差は10倍で、朝晩みがくと10リットル無駄です。4人家族なら1日40リットル、1か月ではなんと1,200リットルです。
洗 車 バケツを使うと210リットル節水
ホースを使った場合だと約240リットル必要ですが、バケツを使うと30リットルで済みます。
風呂 残り湯の半分の再利用で90リットル節水
風呂の残り湯は、洗濯、掃除、散水などいろいろ工夫してお使いください。
シャワー こまめに止めて??リットル節水
シャワーって、いつまでも浴びていたいもの。それだけにほかのものとは比較にならないほど水をたくさん使用します。例えば、1分間ムダに流し続けると約12リットルが浪費されます。水道料金に驚くほどの差が出ます。
洗濯 ためすすぎで55リットル節水
節水型機器のおすすめ |
コマ内臓タイプの蛇口には節水コマを! | |||||||||||||
節水コマは、水道局がおすすめする節水器具です。 コマ内蔵タイプの蛇口に取り付けるだけで洗面所や台所のように流し洗いをするところでは、 1分間に約6リットルも節水できます。 節水コマは、ほとんどの水道局営業所の窓口で無料でいただけます。ぜひご利用ください。 |
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※一般に給湯の蛇口は、すでに流量調節 されているので、節水コマを取り付ける必 要はありません。 ※洗面化粧台や台所で水の出が良すぎる |
1か月の漏水量データ | |||
漏水箇所 | 漏水の状態 | 漏水量 | 金額 (上下水道料金) |
水洗小便器 | 便器の底部に鉛筆の太さ程度の 水が流れているとき |
50m3 | 約20,000円 |
水洗大便器 洋式サイホン式 貯留水が少ない型のもの |
便器の前部から1カ所、箸の先程度の 水が流れているとき |
20m3 | 約7,600円 |
水洗大便器 洋式サイホンゼット式 貯留水が多い型のもの |
便器内の水面がごくわずかに動いて いるとき |
150m3 | 約73,000円 |
蛇口 | 糸状(太さ1mmくらい)の水が流れて いるとき |
6m3 | 約2,000円 |
簡単に漏水を発見! | ||
(1)蛇口を全部閉めて、 (2)水道メータのパイロット部分を ジーっと見てください。 (3)パイロットが動いていなければOKです。 (4)パイロットが動いていれば 漏水の疑いがあります。 |
水道メーターに時計? 水道のメーターに時計のようなものが三つありますが、どういう意味がある? 最新式のメーターは、四つの窓に4けたの数字が表れ、何立方メートル使ったかが分かる仕組みになっています。この数字は1立方メートル(1000リットル)以上しか表示しませんので、それ以下を、1、10、100リットルの各単位ごとに時計のような三つのメーターで表示しています。0から9までの数字があり、針が目盛りと目盛りの間にある時は小さい方の数字の目盛りを読みます。1リットルの“時計”の針が1周して0に戻ると、10リットルの“時計”の針が1目盛り分動きます。 旧式のメーターは1立方メートル以上の単位も時計のようなメーターで表示しています。水道料金は1立方メートル(1トン)単位ですので、時計のメーターの部分は料金計算には直接関係しません。
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