管材資料館① 


硬質塩化ビニル管 VP,VU   単位:mm  JIS K 6741
区分 VP(塩ビ厚肉管) VU(塩ビ薄肉管)
呼び径
mm
外径 外径の
許容差
厚さ 近似
内径
1m当り
質量(g)
外径 外径の
許容差
厚さ 近似
内径
1m当り
質量(g)
基本
寸法
最大
最小
平均 最小 許容差 基本
寸法
平均 最小 許容差
13 18 ±0.2 ±0.2 2.2 +0.6 13 174 - - - - - -
16 22 ±0.2 ±0.2 2.7 +0.6 16 256 - - - - - -
20 26 ±0.2 ±0.2 2.7 +0.6 20 310 - - - - - -
25 32 ±0.2 ±0.2 3.1 +0.8 25 448 - - - - - -
30 38 ±0.3 ±0.2 3.1 +0.8 31 542 - - - - - -
40 48 ±0.3 ±0.2 3.6 +0.8 40 791 48 ±0.2 1.8 +0.4 44 413
50 60 ±0.4 ±0.2 4.1 +0.8 51 1122 60 ±0.2 1.8 +0.4 56 521
65 76 ±0.5 ±0.3 4.1 +0.8 67 1445 76 ±0.3 2.2 +0.6 71 825
75 89 ±0.5 ±0.3 5.5 +0.8 77 2202 89 ±0.3 2.7 +0.6 83 1159
100 114 ±0.6 ±0.4 6.6 +1.0 100 3409 114 ±0.4 3.1 +0.8 107 1737
125 140 ±0.8 ±0.5 7.0 +1.0 125 4464 140 ±0.5 4.1 +0.8 131 2739
150 165 ±1.0 ±0.6 8.9 +1.4 146 6701 165 ±0.6 5.1 +0.8 154 3941
200 216 ±1.3 ±0.8 10.3 +1.4 194 10129 216 ±0.8 6.5 +1.0 202 6572
250 267 ±1.6 ±1.0 12.7 +1.8 240 15481 267 ±1.0 7.8 +1.2 250 9758
300 318 ±1.9 ±1.1 15.1 +2.2 286 21962 318 ±1.1 9.2 +1.4 298 13701
350 - - - - - - - 370 ±1.3 10.5 +1.4 348 18051
400 - - - - - - - 420 ±1.5 11.8 +1.6 395 23059
450 - - - - - - - 470 ±1.7 13.2 +1.8 442 28875
500 - - - - - - - 520 ±1.9 14.6 +2.0 489 35346
600 - - - - - - - 630 ±3.2 17.8 +2.8 592 52679
700 - - - - - - - 732 ±3.7 21.0 +3.2 687 72018
800 - - - - - - - 835 ±4.2 23.9 +3.8 783 93718



水道用硬質塩化ビニル管と継手の規格

 JISで規定されている硬質塩化ビニル管(K6741)、水道用硬質塩化ビニル管(K6742)および水道用硬質塩化ビニル管継手(K6743)の主な規格について説明します。

分類と主な性質

 JIS K6741 では一般流体輸送用の硬質塩化ビニル管(VPとVU)が、JIS K6742 では水道用硬質塩化ビニル管(VPとHIVP)が規定されています。K6741 のVPは、K6742 のVPに較べて使用圧力が高く(1.0MPa)、規定されている呼び径の範囲が広く(13〜300)、また厚さや寸法許容差、定尺等も若干異なっている。

 VP、HIVPおよびVUには可塑剤は添加されておらず、いずれも安定剤と顔料を添加した硬質ポリ塩化ビニルです。ただし、HIVPには改質剤を添加して、耐衝撃性を高めてています。顔料は外観から材質を区別するためで、VPとVUは灰色、HIVPは暗い灰青色(藍色に近い)をしています。

 VPとVUの比重は 1.43g/cm3、HIVPの比重は 1.40g/cm3 です。定尺は4mですが、呼び径40以上のVPとHIVPには4mと5mがあります。20°Cにおける引張り強度は 49MPa 以上(VP)で、使用圧力は 0.75MPa(VPとHIVP)と 0.6MPa (VU)です。主要な相違を以下の表に示します。

 管の種類  VP HIVP   VU     --------------------------------
 比 重     1.43  1.40    1.43   色        灰色 灰青色 灰色
 使用圧力   0.75  0.75    0.6      --------------------------------
  (Mpa)

 VP(HIVP)とVUの寸法上の相違点は、内径が異なることです。これは、外径が同一寸法であるのに対し、使用圧力が異なっている、つまりVUの方が肉厚が薄いためです。VPの呼び径は実際の内径にほぼ等しいのですが、VUは呼び径よりも内径の方が大きくなっています(注1)。なお、写真1に示したように、管の表面には記号や呼び径などを印字することになっていますので、どのような管かは容易に判別することができます(注2)。


管用継手

 上記管用の各種継手が JIS K6743 (水道用硬質塩化ビニル管継手)で規定されており、チーズやエルボなどは入手が容易です。この継手はJISでは水道管用と明記されていますが、VPとVUは外径が同じですから、VUにも使用できるはずです。ただし保証外ということになるでしょう。

 種類は、硬質塩化ビニル管継手(記号TS)と耐衝撃性硬質塩化ビニル管継手(記号HITS)の二種類です。両者はVPやHIVPと同様に色で区別できます。

 使用する頻度が多いと思われるエルボ(右図(a))とチーズ(右図(b))について、主要な寸法を下表に示します。図はどこの寸法かを分かり易くするためのものであって、実際の形状とは細部が異なります。また、チーズは異径用(3方のうち1方の径が他の2方の径と異なるもの)があるため、呼び径は20X20(同径)や30X25(異型)のように表しますが下表には同径用の寸法のみを示しました。管を差し込む部分はテーパがついており、開口部の内径(下表では「開口径と」表示)は適用管外径より僅かに大きくなっています。「深さ」とは、管を差し込む部分の長さを表します。

呼び径 管外径 開口径 深さ テーパ D  H -----------------------------------------------
 13  18  18.40   26.0   1/30   24.0  36 (16  22   22.40   31.0          29.0    )(1)
 20  26  26.45   35.0   1/34   33.0  50  25  32  32.55   40.0   1/34   40.0  58
 30  38   38.60   44.0   1/34   46.0  65  40  48   48.70   55.0   1/37   57.0  82
 50  60   60.80   63.0   1/37   70.0  96  (以下省略)
----------------------------------------------- (1) JISでは規定されていないため、相当する市販品を実測した

 例えば、呼び径25の管をチーズで接続する場合、チーズの呼び径は25X25で、管の端から40mmが継手の中に収まります。ただし、深さの許容差は +4mm, -0.5mm で、Hの許容差は +5mm, -1mm ありますから、実際には現物に合わせて管を適当に切断し、組み立てる方がよいと思います。

 この他の継手としては、ソケット、径違いソケット(呼び径が1〜2段階異なった管を接続)、45゜エルボ、異径チーズ(JISでは単にチーズと表記)、90゜ベンド、45゜ベンド、Sベンドなどがあります。片方が管用平行めねじ(Rp)や管用平行おねじ(R)になっている継手もありますが、ねじ部がインサートであるため、真空配管用には不向きでしょう。

管の入手と価格について

 日曜大工品を販売しているある小売店では、呼び径 13〜50程度までは水道用硬質塩化ビニル管(VP)を、それ以上の呼び径では硬質塩化ビニル管(VU)を扱っていました。定尺は4m (呼び径40以上の水道用硬質塩化ビニル管は 4m または 5m)ですが、 1m に切断した管もありました。

 価格は重量に比例するようです。上記の小売店で定尺(4m)の価格を折角調べた(1999.4)ので、右のようにグラフにしてみました。軸が対数なので直線性が良いように見えますが、この直線(500円/kg)から1〜2割ずれているものがあります。HIVPは同じ呼び径のVPに較べると3割程度高いようです。これは定尺価格の一例であり、短く切断した管は割高なことや、入手する店によって異なることに注意して下さい。

 ところで、市販されているVP16というPVC管は、水道用とは表記されているもののJIS記号は書いてありません。VP16は K6741 でのみ規定されており、K6741 と水道用とは同時に表記できず、かと言ってK6742 と書く訳にはいかないためでしょう。同様に、TS16の継手も市販されていますが、JISとは書いてありません。呼び径16は15Aの鋼管に相当しており、需要は多いと思います。どうして K6742 ではVP16を規定しなかったのか疑問です。


(注1) ここに示していない、呼び径の大きい管については必ずしも当てはまらないが、同じ呼び径であれば、VUよりもVPの内径の方が大きい。 (注2) 水道用硬質塩化ビニル管(VPやHIVP)には「水」という漢字に似た記号が印字されており(写真1参照)、硬質塩化ビニル管(VP)と区別することができる。


硬質ポリ塩化ビニル(PVC)

PVCの性質

 塩化ビニルは CH2=CHCl という組成の単量体で、これを重合したものがポリ塩化ビニル(PVC)です。実際に使われるPVCには多量の可塑剤が含まれている軟質ポリ塩化ビニルと、可塑剤を全く含まないか僅かに含む硬質ポリ塩化ビニルがあり、両者を総称して塩化ビニル樹脂と言います。慣用的な塩化ビニル(塩ビ)という呼称は、塩化ビニル樹脂のことで、単量体ではありません。

 軟質PVCは、レインコートやシート、袋、導線の被覆材などいわゆるビニール製品に用いられ、柔軟性があります。一方、硬質PVCは名前の通り硬く、水道管や雨樋などの構造材として用いられます。

硬質PVCの特徴

 比重約1.4g/cm3で比較的硬く、割れやすい性質があります。耐熱性は悪く、使用温度はせいぜい80°Cです。濃度が高くない無機酸や無機アルカリには耐性があり、油にも侵され難くいという利点があります。ただし、アセトン等の有機溶剤には溶け、直射日光を避けた方が無難です。機械的な加工性は良く、容易に切断したり穴を開けたりすることができます。また、専用の接着剤を用いれば、簡単に接着することができます。


配管用炭素鋼鋼管 SGP
 単位:mm   JIS G 3452
管の呼び方 外径 内径 外径の許容差 厚さ ソケットを含まない重量(kg/m)
(A) (B) テーパネジを切る管 それ以外の管
6 1/8 10.5 6.5 ±0.5mm 2.0 0.49
8 ¼ 13.8 9.2 2.3 0.62
10 3/8 17.3 12.7 2.3 0.81
15 ½ 21.7 16.1 2.8 1.31
20 ¾ 27.2 21.6 2.8 1.68
25 1 34.0 27.6 3.2 2.43
32 1¼ 42.7 35.7 3.5 3.38
40 1½ 48.6 41.6 3.5 3.89
50 2 60.5 52.9 ±0.5mm ±1% 3.8 5.31
65 2½ 76.3 67.9 ±0.7mm 4.2 7.47
80 3 89.1 80.7 ±0.8mm 4.2 8.79
90 3½ 101.6 93.3 4.2 10.1
100 4 114.3 105.3 4.5 12.2
125 5 139.8 130.8 4.5 15.0
150 6 165.2 155.2 5.0 19.8
175 7 190.7 180.1 ±0.9mm 5.3 24.2
200 8 216.3 204.7 ±1.0mm 5.8 30.1
225 9 241.8 229.4 ±1.2mm 6.2 36.0
250 10 267.4 254.3 ±1.3mm 6.6 42.4
300 12 318.5 304.3 ±1.5mm 6.9 53.0
350 14 355.6 339.8 - 7.9 67.7
  1. 管の呼び方は、(A)および(B)のいずれかを用いる。ただし、必要に応じ(A)による場合にはA、(B)による場合にはBの符号を、それぞれの数字の後につけて区分する。(例:20A,¾B)

  2. 厚さの許容差は規定しないが、-15%以内とする。

  3. 重量は1cm²の鋼を7.85gとして計算したもの。


SS材について

  いろいろ加工する鉄の中で、いちばん多いのはこのSS材です。JISでは「一般構造用圧延鋼」といっています。機械工の俗称は「ナマ」です。あるいはただ「鉄」というところもあります。焼入れができないから、こういう呼び方をするのでしょう。JISの記号ではSSです。このあとに2桁の数字がつきます。前のSはsteelのS、後のSはstructure(構造物)のSです。

 SS材は化学成分を規制していません。せいぜいりんP、いおうSといった有害不純物をおさえているだけです。ではなにをきめているかといいますと、機械的性質、つまり「強さ」だけです。その強さを代表させて「引張り強さ」で表したのが、記号の数字です。

 例えば、SSの代表というべきSS41というのは、引張り強さが41kgf/mm2以上という鋼材だということです。ただ、この強さがあっても、低温ぜい性を悪くするりんP,という鋼材をもろくする不純物はおさえておかないといけない、ということからPとSは上限が決めてあります。

 ということで、SS材というのは、リムド鋼そのものなのです。リムド鋼なので、SS材についての引張り強さ試験片採取位置に対しては、棒材はとにかくとして、板、平鋼、形鋼などについては、ふちの部分を避けるための色々の規定があります。

 このSS材のほかに、リムド鋼から作り、SS材と同じように強さの規定を中心にしたJISの鋼材はいくつもあります。

 自転車のフレーム、車輪などに使われる鋼板、鋼帯は、プレス加工性をねらったもので、SAPHという記号の後に2桁の数字がつきます。これも成分でりんP,いおうSの上限をおさえているだけです。もちろんSAPH32,38、41・・・と言った数字は引張り強さです。

 機械加工の多いもので「みがき棒鋼」というものがあります。普通は最後の「鋼」は省略して「みがき棒」といっていますが、これも特殊のものを除いて、SS材と同じようにりんP,いおうSを制限しているだけです。SS材を冷間引抜きでつくったものです。記号もSS41B−Dというようになっています。Bは棒barのB,Dは引抜きdrawingのDです。丸、六角、角、平、といった断面があります。

 冷間圧延鋼板(帯)というプレス加工用の板があります。一般用SPCC,絞り用SPCDはリムド鋼で、やはり成分は規定していません。必要な機械的強さがあればよい、というものです。このSPCについては引張り強さ、伸びのほかにエリクセン値を決めています。

 SPCに対応するのが熱間圧延軟鋼板(帯)SPHで、これも全く同じことです。

 鉄筋コンクリート用棒鋼SRも同じことです。コンクリートがつきやすいように突起をつけたものはSDです。SR,SDのあとにつく2桁の数字、例えばSD24という数字は降伏点の数値です。引張り強さはSS41相当に成ります。

 その他、成分規定はあっても、炭素CがSS材なみの0.3%以下のものはいくつもあります。こういう材質は焼き入れはできない。しないのが普通です。機械加工をするにあたっては代々同じように扱ってよいでしょう。

 一般構造用炭素鋼鋼管、記号STKもSS材と同じ物が管になっただけのものです。


元素記号
元素名記号
亜鉛Zn
アルミニウムAl
アンチモンSb
いおうS
イッテルビウムYb
イットリウムY
イリジウムIr
インジウムIn
ウランU
塩素Cl
カドミウムCd
カリウムK
カルシウムCa
Au
Ag
クロムCr
けい素Si
ゲルマニウムGe
コバルトCo
酸素O
元素名記号
臭素Br
ジルコニウムZr
水銀Hg
水素H
すずSn
ストロンチウムSr
セシウムCs
セリウムCe
セレンSe
ビスマスBi
タリウムTl
タングステンW
炭素(石墨)C
タンタルTa
チタンTi
窒素N
Fe
テルルTe
Cu
トリウムTh
元素名記号
ナトリウムNa
Pb
ニオブNb
ニッケルNi
白金Pt
バナジウムV
バラジウムPd
バリウムBa
ひ素As
ふっ素F
プルトニウムPu
ベリリウムBe
ほう素B
マグネシウムMg
マンガンMn
モリブデンMo
よう素I
ラジウムRa
リチウムLi
りんP

金属記号 合成樹脂略号
材料記号 名称 略号 名称
BC6(BC6C) 青銅鋳物(連続鋳造) ABS アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
YBsC3 黄銅鋳物 AS アクリロニトリル・スチレン樹脂
C3604BD(BE) 快削黄銅引抜棒(押出棒) EP エポキシ樹脂
C3771BD(BE) 鋳造用黄銅引抜棒(押出棒) FRP 強化プラスチック
C1220T りん脱酸銅管 MF メラニン樹脂
BCrM 銅合金素地上のクロムメッキ PC ポリカーボネート樹脂
BNM 銅合金素地上のニッケルメッキ PCTFE 三弗化エチレン樹脂
FC ネズミ鋳鉄品 PE ポリエチレン樹脂
FCD ダクタイル鋳鉄 PMMA メタクリル樹脂(アクリル樹脂)
FCMB 可鍛鋳鉄 POM アセタール樹脂
SK 炭素工具鋼 PP ポリプロピレン樹脂
SUS304 ステンレス(18Cr-8Ni) PS ポリスチレン樹脂
SUS316 ステンレス(18Cr-12Ni-MO) PTFE 四弗化エチレン樹脂
SUS316L ステンレス(18Cr-12Ni-MO極低C) PUR ポリウレタン樹脂
ADC アルミニウム合金ダイカスト PVAC ポリ酢酸ビニル樹脂
ZDC 亜鉛合金ダイカスト PVC 塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)

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