プラスチック |
Q | プラスチックって何? |
A | プラスチックとは、「大きな分子量を有する有機化合物からなり、通常最終状態は固体であるが、それに至る途中に熱や圧力などの作用で流動化し、自由に成形できる一群の材料」を総称した名称です。つまり、「可塑性を有する物質」という意味を持っています。今日使われているプラスチックは約70種類もあり、そのうち20種類程度が家庭用品などに利用されています。 |
Q | プラスチックの大分類は? |
A | ◇熱可塑性プラスチック 熱を加えると軟らかくなり、冷やすと固まる性質を持ち、一度硬くなっても熱を加えると再び軟らかくなる性質を持ったプラスチックです。「チョコレートタイプ」とも呼ばれています。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ABS樹脂等。 ◇熱硬化性プラスチック 熱を加えると硬化し、いったん硬化した後は熱を加えても再び軟らかくならない性質を持ったプラスチックです。「ビスケットタイプ」とも呼ばれています。メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン等。 |
Q | プラスチックはそれぞれどのような特長があって、どのような用途に使われているの? |
A | 別紙プラスチックの性格表を参照して下さい。 |
Q | 電子レンジにプラスチックを使用する場合の注意事項は? |
A | 電子レンジは食品にマイクロ波をあて食品中の水の分子を急激に揺さぶりその時生じる摩擦熱で食品を内部から加熱する機器です。ほとんどのプラスチック容器自体はマイクロ波で変質したり、加熱されることはありません。しかし食品全体が加熱されるとその熱が容器に伝わるので容器も加熱されることになります。ですから容器の温度は中の食品の温度に従います。油性の食品はかなり高温になります。したがってプラスチックのそれぞれの耐熱温度表示に注意してください。 |
Q | レトルト食品の安全性は? |
A | レトルト食品というのは容器に調理済みの食品を入れ、レトルトという装置の中で高温高圧下で加熱殺菌した製品です。その容器、包装材については厚生省によって厳しい規制が設けられています。すなわち真空気密性、ヒートシール性、加熱殺菌適性、高バリヤー性、長期保存性など性能面や安全性の面でも保証されています。 |
Q | パックごと熱湯で温めるカレーやシチューがあるが、プラスチックは大丈夫? |
A | インスタント食品の包装に使われているパックなどは、内装がポリエチレンなど、外装は耐熱性のあるフィルムが使用され、その間にアルミ箔がはさまっています。120℃の高温殺菌に耐えられるようになっています。 |
Q | プラスチックの台所用品の煮沸消毒は? |
A | 物理的には、耐熱温度が100 度以上を超えていれば煮沸に耐えれます。品質表示の表示温度に注意してください。 |
Q | 発泡スチロールのトレーに熱い食品を入れても大丈夫? |
A | トレーに揚げたてのてんぷらやコロッケ、トンカツ、ハンバーグやたこやきなどを載せるとトレーが変形したり穴があいたりすることがあります。このような使い方をされる場合は少し時間を置いてから載せてください。油性の食品をトレー、パックしたまま電子レンジで加熱しますと変形したりすることがあります。 |
Q | ラップやプラスチック容器を冷凍庫で使用しても大丈夫? |
A | 家庭用の冷凍庫は−30度です。ラップは−60度の耐冷温度です。ただし、冷凍庫ではラップの密着性が低下しますので大きめに切ってたっぷり包んで使用してください。密封容器の場合はフタと本体とは材質が異なるものがあり、ピッタリしなくなることがあります。品質表示を確かめてください。 |
Q | ポリ袋に裸の食品を入れても大丈夫? |
A | 一般のポリエチレンの袋は食品を直接入れることを前提とし、食品衛生法による規格基準に適合するように製造されています。ただし、ごみ袋用として売られているもののなかには、再生原料や規格外の顔料を使っているものもあります。裸の食品を入れることは避けてください |
Q | ポリ袋やラップの一部を誤って食べたが? |
A | ポリ袋やラップの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどです。これらは他の一般プラスチックと同様化学的には不活性で、仮に誤って切れ端を食べたとしても体内で化学反応はせず、また消化もされずにそのまま体外に排出されます。 |
Q | プラスチック容器に塩、醤油、酒などを長時間入れても大丈夫? |
A | 食品用の容器は醤油、塩、酒などと長時間接触しても、容器から食品への溶出は安全です。 |
Q | プラスチック容器に梅干しは大丈夫? |
A | 食品の酸ぐらいではプラスチックは大丈夫です。 |
Q | プラスチック製まな板にも細菌が繁殖することはあるの? |
A | まな板の材料は、通常ポリエチレンです。プラスチックは一般に吸水性はほとんどなく、木製のまな板に比べて細菌などが繁殖しにくい材料です。プラスチック製のまな板でも使用しているうちに細かい切り傷ができて、そこに食物や水分が溜り洗浄が不十分で清潔に保管されていないと、まれに霊菌が発生することがあります。霊菌は人体には無害ですが、霊菌の出す生成物でまな板がピンク色に染まることがあります。 |
Q | プラスチック製バケツを食品用に使っても大丈夫? |
A | 大丈夫です。ポリエチレンバケツには一般用と消化用がありますが、何れも飲料水を入れる場合を想定して、食品衛生法の規格基準に適合するように作られています。 |
Q | メラミン樹脂のホルマリンの液出は? |
A | 使用して古くなったメラミン食器でも、ホルムアルデヒドの溶出量が増えるということはありません。国では、メラミン食器を安全に使用できるよう、食品衛生法によって規格基準をさだめていますが、業界では、更に自主規制基準を設けてメラミン食器の安定した品質確保のために品質管理を徹底しております。メラミン食器から溶出するホルムアルデヒドの量は、食品衛生法の基準値の約1/10以下で、安全性に問題はありません。 |
Q | プラスチック容器の耐用年数は? |
A | 一般的な耐用年数はありません。ただし、長期間使用すると黄ばんだり、内容物の色の一部が移ったり逆に色のついた容器は色があせることがあります。金属ほど表面が硬くないので傷がつきやすいのですが、衛生面では心配ありません。なお、直射日光に長時間あてると脆くなります。従って耐用年数はありませんが、長期間使用しますと見栄えが悪くなりますので、適当な時期に買い替えてください |
Q | プラスチックの種類と簡単な見分け方は? |
A | 次に挙げる四大樹脂で生産量の70%を占めます。 ◇ポリエチレン 炎を近づけると融けてしたたり落ちながら激しく燃える。炎を離しても燃えつづけ、炎は先端が黄色で、下端が青色である。燃焼時特有のパラフィン臭がし、燃えカスは黒です。 ◇ポリプロピレン 易燃性で、融けながら燃え、炎を離しても燃えつづける。炎の先端は黄色で下端は青色です。燃えカスは黒色です。特有の甘みのある石油臭がします。少量の白煙を生じます。燃えるとき、融けて滴り落ちるが、ポリエチレンほど激しくはありません。 ◇ポリスチレン 易燃性で多量の黒いすすを出してよく燃えます。炎は黄色でスチレンモノマー特有の刺激性の臭いがします。炎を離しても燃え続け、燃えカスは黒です。 ◇塩化ビニル樹脂 難燃性で、炎を遠ざけると消えます(自己消化性)。炎の色は黄色で、下端は緑色です。塩素含有物特有の刺激臭がします。燃えるときは黒煙をあげます。燃えカスは黒です。 |
プラスチック | 難燃性ポリエチレン |
Q | 難燃性ポリエチレンとは? |
A | プラスチックは有機合成物の宿命から、難燃性といっても炎に長時間さらされ続けた場合、燃え出す可能性があり、コンクリートや鉄などの耐火性とは本質的にその意味する言葉が異なる。プラスチックにおける難燃性(燃焼性または耐炎性とも呼ばれる)とは、炎の強さ、さらされる時間に対して、どこまで耐えることができるかという程度を示す。ラバーメイドの下記製品には、個々の品種ごとに厳格な試験を施すUL規格の要求特性をクリアした難燃性材料を起用。長時間炎にさらされても燃え出しにくい特性を備えている。 |
Q | それぞれのプラスチックの特長を教えて? |
A | 見分け方
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Q | それぞれのプラスチックの特長を教えて? |
A | 選び方
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Q | それぞれのプラスチックの特長を教えて? |
A | 使い方
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Q | それぞれのプラスチックの特長を教えて? |
A | 使い方
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Q | それぞれのプラスチックの特長を教えて? |
A | 参考
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プラスチック | ポリカーボネイト ポリプロピレン食器 |
Q | 特長は? |
A | <ポリカーボ食器> ●衝撃や熱に強い。強靱で取扱いが簡単、表面の硬度はポリプロピレンより硬く、食品の色素が染み込む心配はほとんどありません。 ●収縮やねじれ、そりなどがなく、初期の形状を長期間保つことができます。 ●耐加水分解性(耐蒸気性)に劣りますが、最近はこの欠点を改善した製品も開発されています。 <ポリプロピレン食器> ●クリーム色の食器で有名で、昭和45年頃からアルマイトにかわって学校給食用食器として急速に普及しました。 ●汎用性の高いプラスチックの為、価格が安く、食器の場合には破損はほとんど見られず経済的です。耐熱性にも優れ、煮沸消毒や熱風保管庫での消毒保管に耐えることができます。 ●クリーム色ばかりでなく、多彩な色もそろっています。経済性は評価されていますが、食器用プラスチックの中で最も軽いという特長は、半面、食器としての質感が劣ることになります。 ●傷つきやすい、熱を加えた時変形しやすい、食物中の油、色素が除々に浸透し、洗っても落ちない汚れとなりやすい。 |
Q | 製造方法は? |
A | <ポリカーボネイト> ビスフェノールAと塩化カルボニルを原料として合成されます。 どろどろに溶かした材料に高圧をかけて金型の中に射出し、急冷、固化されて成形して食器を作ります。ポリカーボは透明な樹脂ですが、着色も容易です。この特長を生かし、透明な材料の外側に絵柄を付けその外側から色つき材料を重ねるサンドイッチ構造によって、いつまでも絵柄がはがれない製品もできます。 <ポリプロピレン食器> 原料のプロピレンを重合することにより合成されます。 どろどろ溶かした材料に高圧をかけて金型の中に射出し、急冷、固化させて成形して食器を作ります。 |
プラスチック | ポリエチレン |
Q | 特長は? |
A | ●耐薬品性に優れ、酸やアルカリ、食用油にも侵されにくい。とりわけ吸収率が低いので、優れた耐水性を発揮する。 ●−20℃の低温でも柔軟性を失わず、落下衝撃にも優れた塑性(衝撃に耐える性質)を発揮し、ひねりや押し圧などの応力にも良く耐えます。 ●環境衛生についても、高湿度環境、海上環境、塩水噴霧環境など、いずれの環境においても優れた耐性を示します。 ●熱変形温度が100℃以下なので、煮沸は不可です。熱湯水も、瞬間的な接触には十分耐えるが、浸漬は不可です。 |
プラスチック | 発泡ポリエチレン |
Q | 特長は? |
A | ●成形時にガス体を混入し、軽量化と機械的強度を高めた強化構造ポリエチレンです。 ●耐薬品性、耐水性など、ポリエチレンの持つ優位性を備えているので高湿度環境、寒冷環境、酸性環境、塩分過多雰囲気など、過酷な環境にも良く耐えます。 |
プラスチック | ポリサルホン |
Q | 特長は? |
A | ●急激な温度変化に良く耐え、冷蔵庫から電子レンジまで幅広い対応が可能です。優れた耐寒性と際立った耐熱性を兼ね備えているので、高温環境でも酸やアルカリに侵されにくく、耐スチーム性にも優れています。 ●耐薬品性も優れています。配管、ブラント機器のパイプや継ぎ手などに採用されています。クリープが長期にわたり低レベルに抑制され、長期間にわたり初期形状、寸法をよく保ちます。 ●電磁波の透過性能が高いので、調理時間の短縮化に貢献でき、電子レンジによる特性劣化も最小レベルに抑制されます。 |
プラスチック | メラミン |
Q | メラミンの食器の特長は? |
A | ◇メラミン樹脂は最も硬いプラスチックです。傷や汚れがつきにくいです。 ◇陶磁器に近い質感があります。◇美しい絵柄とかたちが可能です。耐熱性に優れ、長く衛生的に使用できます。 ◇1938年スイスのCIBA社で開発されました。既に60年以上の歴史の中で、世界各国、さまざまな場所で愛用されています。 |
Q | メラミン食器の製造方法は? |
A | 原料であるメラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドを反応させて生じるメチロールメラミンの縮合によって作られます。これにα−セルロース(パルプ)や着色剤を加え、酸性触媒のもとで加熱、さらに反応を進めることにより成形材料ができあがります。成形は熱と圧力を加える圧縮成形法でおこないます。 |
プラスチック | グラスファイバー ウレタン樹脂 耐熱ABS樹脂 |
Q | 特長は? |
A | <グラスファイバー> ●ポリエステルにガラス繊維が入ったものです。 <ウレタン樹脂> ●ポリウレタンと同じです。 ●主鎖中に、ウレタン結合を持つ重合体の総称です。ジイソシアナートと二価アルコールを反応させて作ります。 ●合成樹脂、合成ゴム、合成繊維、接着剤、塗料などに用います。 ●発泡剤を入れて作るウレタン・フォームは断熱材・クッションに用います。 <耐熱ABS樹脂> ●従来のABS樹脂に比べて、耐熱温度が110℃と高く、寸法精度も高くなっており変形しにくく、非常に耐久性があります。洗浄機適応としてご使用いただけます。電子レンジには、使用できません。 |