ステンレス

Q ステンレスとは?
A 鉄を主成分にクロムあるいはクロムとニッケル等を添加した合金です。
●クロム・・・・非常に固い金属で、耐磨耗性、耐腐食性、耐熱性、離型性に優れています。
●ニッケル・・・固い中にも柔軟性(ねばり)があり、耐食性に優れている金属です。又、各種メッキの下地メッキに多く利用されています。このニッケルの含有量を増すことによって、耐食性がよくなります。

Q ステンレスという金属の特長は?
A ご存じのように錆びにくいという性質を持っています。ただし、決して錆びないのではありません。しかし、比較的取扱いは簡単です。特に18−8以上の高級ステンレスは耐食性にたいへん優れています。

Q どんな取扱いをすれば良いの?
A 18−8ステンレスの場合普通の状態でお使いいただければほとんど錆びません。ただし、食物や食用油を長時間付着させておいたり、洗浄液や食塩水に長時間入れたりしますと、やはり、錆びが発生します。なるべくすみやかに洗浄し、乾燥させてから保管しておけばほとんど錆びは防げます。
ステンレスの素材(13クローム、18−8等)により、錆の発生や腐食の度合いが違います。その取扱いによって溶易に錆が発生します。必ず素材を確認してください。

 

Q 錆びた場合の手入れは?
A 良く錆を落とさなければなりませんが、手作業でやるのはたいへん難しく、今一度機械研磨が必要です。キズや錆はきれいに取れます。しかし、腐食がすすんで深いキズや穴がある場合、特にナイフの場合は刃先に深い穴が空いた物やハンドルに穴が空きそうな物は、研磨をしても直りません。いずれにしても、その手間やコストを考えますと、修理する場合は、18−8以上の高級ステンレスに限ります。

 

Q なぜステンレスは錆びにくいの?
A 鉄に13%以上のクロムを添加した合金(ステンレス)を作りますと、中の酸素によりその合金表面に不働態被膜と呼ばれる0.005μm 程度の極めて薄いクロム酸化物を主成分とする緻密な被膜ができ、この被膜によってステンレスの表面が覆われるため、錆びにくくなるわけです。また、クロムの含有量を増やし、さらにニッケルやモリブデンなどを加えるとよりいっそう被膜の働きが改善強化され、耐食性が向上します。したがって、13クロム系より18クロム系さらに18−8系のほうが耐食性に優れ、錆びにくいと言えます。

※1μm(マイクロメートル)=1/1,000mm
0.005μm=5/1,000,000mm

 

Q ナイフを長く使用するためには?
A ナイフは包丁などと同様に、刀部を硬くきたえる必要があるためスプーン、フォーク類とは異なる材質を使用しています。
ナイフを落としたり、強い衝撃を与えないでください。ヒビ割れの原因となります。ナイフ類はとてもデリケートです。スプーン、フォーク類との混洗いはしないでください。使用後は汚れをよく洗い流し、充分乾燥させてください。
酸性、アルカリ性の強い洗剤は使用しないでください。また、水道水の水質や汚れ、洗剤分の残りなどが腐食や変質の原因となります。ナイフとスプーン、フォーク類を一緒に収納、保管はしないでください。混ぜ洗いも禁物です。

Q ステンレスにはどんな種類があるの?
A 13クロム(SUS−410)....普及タイプの洋食器にかなり利用されており、鋼に13%以上のクロムを添加したステンレスのことです。錆びやすい鋼に、クロムを13%以上添加すると表面に酸化被膜が作られ、錆び難く耐蝕性がよくなります。しかし、被膜は弱いため、水気や塩気、油分などは早めに落とさないと、錆びが発生しやすくなります。また、「もらい錆び」もしやすいので錆びた包丁や鍋などと接触させたままの収納は禁物です。

18−8(SUS−304)....鋼に18%以上のクロムと8%以上のニッケルを添加したステンレスで洋食器に限らず、器物全般に現在最も多く使用されています。クロムの含有が多くなったため、酸化被膜が強固になり、13クロムステンレスより数倍錆びにくくなっています。しかも、ニッケルを添加したため堅牢となり、耐蝕性、耐久性が向上しています。しかし、絶対に錆びないわけではありませんので、汚れは早めに落とし、錆びやすいものとの収納は避けて下さい。

18−10(SUS−304L)....鋼に18%以上のクロムと10%以上のニッケルを添加したのが18−10ステンレスです。同じく18−12ステンレスは、ニッケルの含有量を12%以上に高めたステンレスです。耐蝕性、耐久性に優れた18−8ステンレスも「取り扱い方」によって錆びることもあります。またわずかですが鉄がベースの金属特有の「カナケ」と呼ばれる味、臭いがあります。18−10、18−12ステンレスはニッケルの含有量を増やすことで「カナケ」が非常に低減されており、錆びなどの発生率も極めて低く、耐蝕性、耐久性が大幅にアップしています。しかし、絶対に錆びないわけではありませんので、汚れは早めに落とし、錆びやすいものとの」収納は避けて下さい。

18−12(SUS−305)
20−20(SUS−310)
....鋼に20%以上のクロムと20%以上のニッケルを添加して、鉄分を50%以下にまで低減したステンレスです。鉄系合金特有の「カナケ」を一流のシェフでも分からない位にまで低減しています。お手入れ、お取り扱いが非常に簡単で、普通の使用ではほとんど錆びません。 

モリブデン鋼(SUS−444)........18%以上のクロムと、14%以上のニッケル、3%以上のモリブデンが添加されています。化学薬品工場の機械設備、原子力発電の冷却パイプ、石油のパイプラインなどに多く使用されています。長時間ご使用のためには、ソース、マヨネーズ、漬物等は一週間程度で入れ替えて水洗いして下さい。

Q 保管方法は?
A ステンレスの不働態被膜は、空気中の酸素により自然に形成される物です。従って保管時もなるべく空気に触れさせておいてください。密封するのは避けてください。この点は銀メッキ食器の保管方法とはまったく反対ですので、両者を一緒に保管してはいけません。

Q 洗浄方法は?
A 食物や油分が付着したままになっていると錆の発生原因になります。従って使用後の食器はできるだけ早く完全に汚れを落とさなければなりません。また、下記のことに注意してください。
◇クレンザー、漂白剤は絶対に使用しないでください。
◇すすぎをして完全に洗剤を洗い流してください。この時洗剤分が残っていると、乾燥時に不働態被膜を覆ってしまいます。
◇水気を良く切って、十分乾燥させてください。当然のことながら水分は錆の原因となります。

 



ステンレス
三層鋼

 

Q どんな種類があるの?
A ●18−10+アルミ+18−10
●18−12+アルミ+18−0
●18−10+アルミ+18−0
●18−8+スチール+18−8
●アルミ+13CRステンレス+18−0
●13CRステンレス+銅+13CRステンレス
●鉄+アルミ+鉄(二層鋼)
●18−8+アルミ
●13CRステンレス+銅

 



ステンレス
五層鋼

 

Q どんな種類があるの?
A ●18−10+ニッケル+軟鋼+ニッケル+18−10
●18−8+アルミ+アルミ合金+アルミ+18−8+銅+18−8(多層鋼)

 



ステンレス
クラデックス鋼

 

Q 特長は?
A ●優れた耐久性、保温性があります。どんな熱源でも効果的です。
●表面に304Lステンレス(18−10)を使用しています。耐食性に優れています。
●爆着という2種の性質の違う金属を火薬の強大な爆発力で接着面をクサビのように入り組ませて接合した素材です。プロに必要な急過熱や急冷却という酷使にも、剥離の心配がありません。

 



ステンレス
フェライト系抗菌ステンレス鋼

 

Q 特長は?
A ●本鋼は17%Crをベースに抗菌作用を有するCuを多量に含有することで、優れた抗菌力を発揮します。
●用途上、表面研磨を施しても抗菌力はほとんど低下しません。
●本鋼の加工性、耐食性はSUS430以上で、SUS430LXと同等レベルです。

 



ステンレス
IKD抗菌ステンレス

 

Q 特長は?
A ●IKD抗菌ステンレスシリーズは、その素材自体に抗菌性を持っています。
●IKD抗菌ステンレスシリーズは、銅のイオン効果による作用を利用しているため安全です。また、長期間その効果が持続します。
●IKD抗菌ステンレスシリーズは、金属表面に付着した菌にのみ抗菌作用が働きます。水の浄化や、食物そのものの減菌には使用できません。


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